浦田健志を知るための5つの覚書(5)

<作品>

前章を読んで察しのいい方ならおわかりだと思いますが、作品は私の分身です。


よく言われる事で「たとえ作り物でも、結局は自分の中にあるものだから」

という程度のものではないのです。

「これが浦田健志です」といえるくらい限りなくノンフィクションに近いものなのです。

私は自分を告白していく事が歌だと考える人であり、テクニックうんぬんではなく、

唄う人間の背景が見えるものをいい歌と判断します。

そういう意味では、歌から浦田健志がどんな奴か、どんな事を経験したのかがわかるわけです。

今はそういったものを唄っていきたいですね。

作り物っぽい歌もあるにはあるけど、どうも熱くなれず、リアリティーをもって唄えなくて。

やっぱり存在証明だからね。

そしてその歌が、夜な夜な酒のつまみのようにカラオケで唄われるような歌よりも、

誰かの人生のいくつかある分岐点でのサントラになればいいと思う。

記録よりも記憶だ。

ステージでもそういうものを求めている。

コンサートが終わった後、友達どうし「楽しかったねっ」とワイワイ喋りながら帰られるよりも、

バス停ひとつボーッと歩いてしまうくらい、

駅をひとつ乗り越してしまうくらいの魂を抜くようなステージをしたいと思っている。


私の作品はいわゆる「売れ線」というものは割合としては少ないと思う。

だけどアルバムの中で埋もれず、シングルよりも浮き立ってくるようなものがたくさんあると思っている。

そいつらを引っ提げて早くまたプロとしてのステージをやりたいものである。

青写真はいくらでもあるのだから。