続々々・オランダ(パリ〜に行くの巻)

オランダ到着2日目にして白人に道を聞かれたアムスっ子・浦田健志。
(なんでやねんっ!めちゃめちゃ東洋人やろっ?!と心の中でそいつにつっこんだ。)
日帰りでパリに行く。

朝4:30起き。
オランダ・スキポール空港から、パリ・シャルル・ドゴール空港まで飛行時間は約45分。
東京ー大阪ぐらいの距離だ。

今回、航空チケットを取る際、オランダ以外にもう1ヶ国追加しても破格の値段だと聞き、
どこでも良かったけど、せっかくだからと思いパリにした。
恋の都だから。


パリでの希望はひとつだけ。
オルセー美術館に行くこと。
普段は美術館に足を運ぶことなんて滅多にしない。
アカデミックなことに関する興味は薄い。
箱根あたりに旅行に行って何にもやることないからしかたなく、
そこいらの美術館に入るってぐらいのもんである。

でもオルセー美術館に行く。
さまざまな美術品を本場で味わい堪能しココロの保養にするという趣向ではない。
ただ1枚の絵を観るため。
クールベの「傷ついた男」を観るため。
(なんでそれなのか?は「なんか書く62」を参照あれ)


セーヌ川のほとり、オルセー美術館。
第一日曜は無料で入館できるとのことで、そのせいか入場の列は長蛇。

並んだ。
天気は良く、青空がとてもきれいで清々しい。
時間が経つ。
もよおしてきた。
何を?
尿意を。
まいった・・・。

同行者を並ばせたまま、公衆トイレを探しにいった。
見つからない。
係員に聞く。「近くにトイレはないか?」と。
「館内だけだ」と言う。

「そろそろ入れるかな?」と列に戻る。
まだだ。
この進みようでは、あと10分はかかる。
しかし、ちょっと歩いたおかげで少しはおさまった。
留まっているのが一番“くる”。

だが、しかし、それから10分ももつもんではない。
再び列を離れる。
オルセーをセーヌ川沿いの壁づたいに歩く。

散歩のフリ。


セーヌか?いや無理だ。
午前中。とんでもないくらい晴れた空。人も多く目立ちすぎる。

人の流れを見る。
この先の信号で人の切れ目ができる法則になっているのに着目。
それだ!
横を通る車のことは一切無視。

ガードレールに腰かけ、セーヌに流れる幾つものマドモアゼルの涙に想いを馳せ、
風に乗って聴こえてくるアコーディオンの音色に耳を澄ます。

フリをする。


そして・・・
今だ!Go!


法律的見解を用いなくても犯罪であろう。
“世界的”な建物に“ひっかけた”のだ。
ある意味、冒涜だ。
そして、それはいつか雨に洗われてセーヌに辿り着くかもしれない。
美術ファンのみなさま、ごめ〜んちゃいっ。


いや、オレはそんなことをお知らせするために書いてるのではない。
クールベだ。「傷ついた男」だ。


入館。
荷物チェック。
バッグにマジックペンが入っていた・・・。
周りで苦笑いの客。
キャップまで開けて調べる係員。
「書いたらだめ」と言われた。
「あったりめーだ」と答えた。


クールベ・コーナーへ真っ先に向かい、そして対面。

ポストカードとは違う“本物”。
想いを馳せた“本物”と対面し、
その筆感、圧倒的な存在感を前にして心は震え、気がついたら涙が溢れていた。




うそ。

そういうことを書けば「なんて繊細な感受性を持ってるの!浦田健志っ!」
などと、褒められるかもしれないと思ったのだ。


「よっ!」って挨拶した。
「会えたね」って語りかけた。

それだけだ。

「会いに来てくれてありがとう」という声が聞こえて、ほんの一瞬微笑んだような気がした。




うそ。まただ。

オレは、そんな風に思い込んじゃうような自己顕示欲が強い自己陶酔型でも自己完結型でもない。

茶化すようで申し訳ないが・・・。


そして「じゃあ、また会えたら!」
と、さよならしただけだ。


「どうだった?」
と誰かに聞かれたら
「ん?話しかけたよ」と答えるだけだ。



オルセーを出た後、「♪Oh〜シャンゼリーゼ〜♪」と、でたらめフランス語で唄いながら
シャンゼリゼ通りを歩き、凱旋門、エッフェル塔へと観光コースを辿った。


ジョン・レノンも撮った場所で同じポーズ。


途中、「中山美穂にでも会わないかなぁ〜」などと思ったチンケなオレを呪った。

好きなジェーン・バーキン、シャルロット・ゲーンスブール、ソフィー・マルソーが出てくる前に「ミポリン」だ。
その次に出てきたのだって「中村江里子」だ。
ひどい。
シトロエンで轢いてもらいたかった。

エッフェル塔の下の広場でワッフルを齧りながら
「こりゃ、ワッフル塔かぁ?ハッハッハ〜」
とバカ笑いするオヤジ。
いや、それに対して周りでウケてる“付き合いのいい”八方美人タイプで程度の低い奴らほどに憎かった。
オレが。

実際、そういうオヤジは見かけなかったけど。
見かけてたら絶対に、旅行のために買ったその靴のかかとにワッフルの“かす”を通りすがりに落として
靴擦れを起こさしてやる!


オランダでは、ほとんど日本人を見かけなかったけど、パリでは日本人指数高し。
観光コースということもあるけど、今にパリはハワイ化するかもしれない。

最後になんとかいう(名前忘れた)ビルの50何階だか、60何階だかのラウンジから
見おろすパリの街並は素晴らしかった。



残念ながらオレをとりこにするようなパリジェンヌには出会わなかった。
唯一、目を惹いた彼女は・・・。


いかんせん、若すぎた。

アムスで出会ったこいつらにしても、


若すぎだ・・・。


実質6、7時間ほどのパリでの滞在。

そしてまたアムスに戻るのだ。
飛行機を予約してなく、オーバーブッキングだったので帰れるかヒヤヒヤだったけど、帰れたのだ。



ま、これで「続々々・オランダ」は幕を閉じるわけですが、
また“人”を好きになりました。
そう思わせる街だった。
アムス、また、すぐにでも行きたい所だな。
“人と人はこうでなきゃ”というのも随分学んだように思える。
一生残る旅となったでしょう!
“同行者”!素敵な日々をありがとう!
覚えてようぜ!


最後に、帰りの飛行機から撮った写真を。



癒し系(かも?)写真館