前向き

前々から疑問を持っていた。
「前向き」とか「ポジティブ」とかの言葉。
安易に使いすぎじゃないか?って。


オレは以前から興味(という言い方が正しいのかわからないけれど)を持っていた事件について書いた
新たな記事を読んで怒りに震えた。

知ってるだろうか?
あるいは覚えてるだろうか?
1988年に起きた、通称「名古屋アベック殺人事件」。
同じ年に東京都足立区綾瀬で起きた、通称「女子高生コンクリート殺人事件」
と双璧な陰惨かつ残虐な殺人事件だ。
どちらの事件も少年が犯した殺人事件。
殺人者が“少年法”に護られた殺人事件。

どちらの事件も出版されてる関連本はほとんど読んだ。
とにかく、読む度に怒りと悲しみの持って行き場がなくなる。
男は是非読んでほしい。ま、男に限らずだけど。
オレがよく言う「守る」という意味がリアルにわかるかもしれない。

事件のあらましについては、ここでは書かないけど、
知らない人はインターネットで検索すれば出てくると思うよ。
事件について、そして陰惨極まりない殺し方に多少の知識があると前提してこれを書きます。


今回読んだ記事は「事件のあらまし」ではなく、事件に関与した“殺人者”の1人にジャーナリストが接見した記事。
そう、“少年法”に護られてそいつを含め殆どがすでに出所している。
そして、事件を起こした街を離れ、名前を偽り“普通”に暮らしている。
そして在る者は結婚し子供を作り・・・。
インタビューに答えた奴もそうだ。
しかも、その嫁には“過去”について知らせていないという。


インタビューでそいつが語った言葉を少し抜粋してみる。

「・・・・・事件のことは、・・・・・普段はあまり考えないですね。
毎日、仕事に追われて、家に帰って、疲れて寝るだけの生活ですから」

「(事件のことは)現実感がない」

「(刑に服して)自分の何が変わったんでしょうかねえ・・・・・。
事件の反省でしたら、まァ、悔い改めるのはありますけど・・・・・。
(事件に)引きずられてばっかりでもアレでしょう。前に進めないと思う」


このジャーナリストも書いているが、
この男にとって、事件と真摯に向き合う行為は、単に過去を振り返ることでしかなかったのだ。

「過去を無いものにする」
それがこいつの「前向き」「ポジティブ」という意味だ。

自分の在り方に疑問を持ってない。
事件と向き合うことも、遺族への償いすらも「後ろ向き」の生き方としか捉えていない。

しかし、その“過去”は確実に現存している。
被害者の閉ざされた未来。被害者の家族、友人らのやり場のない怒り、悲しみ、苦しみ。
そして消えるはずがない、そいつの罪。

しかも、損害賠償金。
1円も払ってない奴(家族も含む)もいる。
住所を変更し、被害者家族やその代理人に通告しないで“とんづら”したケースや、
両親さえも親権を放棄したケース。

とんでもねーよ!そんで家族を儲けて平穏に暮らしてるんだぜ。
「普通の生活をする」
それが更正か?
罪の意識は刑期をまっとうすれば忘れてもいいのか?


そしてこうも言ったという。
「被害者のお墓の場所を教えるから、そこに参る気はあるか?」のジャーナリストの問いに。

「そんな・・・・・行く時間がないですから。難しいですね・・・・・」



ま、ここで事件の解説をしたかったワケではないので事件については終わります。

前に戻る。

「前向き」とか「ポジティブ」

「リセット」なんかもそうだ。

他人との関与がある人生の中で、そこに何かしらの“罪”(じゃなくてもいいけど、“思い出”でもでもいい)
が介在してるとして、
それを無いものにすることを「前向き」とか言ってないか?
いつまでも忘れないでその意識を持つことを「ネガティブ」とか言ってないか?
安易に使って安心してないか?って。
自分の都合いいようにさ。


人間は大抵、自分を過大評価しているものらしい。
「自分は優しい」「もっと強い」「こんなはずはない」ってね。
だから客観性を持たない人は、ホントのことを言われたり、否定されると強いダメージを受けるんだって。
しかもそれを他人のせいにすることで納得するんだって。逆ギレもそのパターンだね。
どっかの精神科の先生が言ってたな。

客観性はホントに必要だな。
ユーモアで受け取れるのも客観性だね。
客観性を持てない人とはまともに話しができないもん。
自己否定の回路も持たずに「ポジティブ」なんてさ。トホホな話しだよ。


「前」とか「後ろ」じゃなくて、自分と真摯に向き合うことが自分の人生を自分のものにすることなんじゃないか?
生きてきた歴史を無駄なものとして片付けるなのよな。ってな。
抱えたままでも前は向ける。
それが年輪ってやつだ。


なんて思ったわけです。
ちょっと興奮しております。

ま、オレは言葉で言える「ポジティブ」なんてハナから信用してないもんで。



ちょっと思い出したことがあります。
オレは子供がいませんが、いる人からよく聞きます。
たいてい言います。
「こいつに何かあったら、そいつはただじゃおかない。たぶん殺すだろうね」って。

あったりめーだ!
そんなの声高に言わなくてもいい。
誰でもそうだ。当然だ。

オレは友達がそうなっても絶対ただじゃおかない。
愛情ってそういうものだよ。
そういうことが無いように守りたいと思う。それがひとりよがりだとしても。
他人に対してもそういう感情が芽生えないとホントの平和なんてない。
愛情なんて死に絶える。



こういうこと言ってるとさぁ〜・・・

人のこと簡単に「熱い」で片付けんなよなぁ!
オレはいろんなことに真剣なんだよ。そこ、わかって言ってよね。
「熱く」くて「厚い」のよん。
ユーモアで言ってくれよ。
ユーモアで受け止めるからさ。