腰抜けめっ!

今ならもういいだろう、オレは言うっ。
あるひとつの不運な浦田健志のエピソード。

ドラマやCMのタイアップは、在り曲そのものから決めるケースもあれば、
付き合いのある制作会社等に委ねるケースもあるが、
まず「アーティストは誰にするか」というところで決めるケースがほとんどです。

「主役なんだから主題歌もやらせてよぉ〜。頼むよ〇〇ちゃ〜ん」というパターンもあり。
「主題歌も唄わせなきゃ〇〇は出さないっ!」という強気が通るパターンもあり。
「こっちで〇〇を使わなきゃ、あっちでは××を使わせないっ」という横暴パターンも大いにあり。

まあほとんどが“政治力”がものを言います。

4.5年前くらいだったかなぁ?(調べてみたら1997年だった。)
オレ、ドラマの主題歌に決まって“た”ことがあるの。しかも、金曜夜9時というゴールデンタイム。
唄も詞も曲もね。
オレのマネージャー(らしき人、ちょっとビミョ〜?いや、少しは動いてもらってるし、世話にはなっている。
“少しは”なんて書くと怒られちゃうかな?その人もここを見てるからね。
それでもオレはこう書く勇気がある。アーティスト側の立場から言わしてもらえばね。わかってると思うけど。
・・・ちょっと長くなったが。)の力でね。

その時点ではタイトルもまだ無く、プロデューサーと主なキャストと脚本家ぐらいが決まってるだけで、
恐らく内容もアウトラインだけのものだったと思う。
主役2人はさ、男女なんだけど、どちらも誰もが知ってるような“超”人気アイドルだ。
視聴率は取れてあたり前。そんなドラマの主題歌に決まって“た”ワケだ。

歌は書き下ろしではなく、元々あったものを少し手直ししてOKになった。

しかし、それは“おじゃん”になった。
そのドラマはちゃんと放映されたよ。
なんで“おじゃん”になったと思う?
はい。こう思った人いるでしょう?
「浦田がまたプロデューサーと喧嘩でもしたか?」って。
ブーッ。不正解です。言っとくけど、なんでもかんでも揉め事起こすわけじゃないからね。
そういうイメージあるけどさ。実際多いけどさ・・・。

正解はね。さっき“政治力”って言ったじゃん?それなの。
主役のひとりの方の事務所がさ、プロデューサーにこう言ってきたわけ。
「うちのタレントを使うんだから、うちのタレントの曲を使わなきゃおかしいじゃねーかっ!」と。
一応、プロデューサーはある種のイメージを持ってたわけだよね。
でも、その事務所ってのが、ものすごい力を持ってるわけ。
前出のオレのマネージャーもその事務所の社長に呼ばれたわけよ。
「お前、幾ら欲しいんだよ」くらいのことを言われてね。もう、脅しだよね。
それでプロデューサーもびびっちゃったわけさ。

そんなことで“おじゃん”になっちゃったんだ。
「よくある話し」とはよく聞く。
だけど、「よくある話し」ってことで、てめーもそこに当てはまって納得するなよなっ!
そんなのが多いから「よくある話し」になっていったんじゃねーか!
「どいつもこいつも腰抜けめっ!」と思ったよねオレは。
そんで言ったよねオレは。
「〇〇さん(事務所の社長)と〇〇さん(プロデューサー)に会わせてくれ」って。
ちょっと物騒な言葉だけどさ、「オレは刺し違えても構わない覚悟ですから」って。
そんときは怒ってたからね。
でも、みんなこの業界で生きていたいんだよね。
だけどオレは「サムライ」でいたいと思った。
(ほんとうに包丁かなんかを懐に忍ばせて“刺す”わけじゃないよ。言っとくけど。)


しばらくして「TVガイド」とかの新番組紹介のページを見た。
他のドラマのところには「主題歌〇〇の△△△△」とか載ってたけど、
オレが主題歌をやるはずだったドラマの欄には書かれてなかったな。
「ん?まだ決まってないの?」「まだ揉めてんの?」って感じ。
「もしかしたら、どんでん返しが?」という期待感もあった。
だってびっくりしたんだよ。
番組のタイトルを見た時。
オレが作った歌のタイトルとそっくりなんだ。
その歌から取ったとしか思えないんだ。

結局、“どんでん返し”は無く、そのドラマはスタートしたんだけどさ。
オレは悔しかったけど、そのドラマの第1話を見た。
画面をにらめつけながらね。
で、またびっくりした。
その主題歌。
なんと、オレが最も敬愛してる外国人アーティストの歌だった。
プロデューサーも苦し紛れの選曲だったわけだ。
でも、その歌の日本での版権はそこの事務所が持ってるかもだけどね。
オレはなんとなく複雑だったよね。
「それやられちゃったら、しょーがない・・・」みたいな。
「オレ、好きだし・・・」みたいな。

そんで、ドラマの内容。
途中ぐらいから、またまたびっくりしていた。
設定がまたまたオレの作った歌の内容とそっくりなんだ。
完璧にパクリ。(2話目からは見てないけど)

番組が終わった途端、マネージャーに電話した。
でももう、しょーがないことなんだよね。この業界じゃ。
そのプロデューサーは「僕のペナルティーだ」と言ってたらしいけど、
そのペナルティーはオレ自身まだ払ってもらってない。(金じゃないよ。)
当てにならない“口約束”がまかり通る世界だからね。
 “腰抜け”だらけだ。
会社のでっかい看板背負ってでしか戦えないくせに、変にエリート意識持ってて
「俺、サラリーマンじゃなくて業界人だから〜」みたいな奴、いっぱいいるからね。
お前さ、充分サラリーマンだから。
(オレはサラリーマンが悪いと言ってるわけじゃない。サラリーマンを“格下”と見てるくせに、
自分を顧みず立派にサラリーマン体質な奴は“粗悪”だと思ってるけどね。)


余談だけど・・・友達のミュージシャンの結婚披露宴をライヴ・ハウスでやった時の話しね。
受付で名前と職業を聞かれたわけ。
それを書いたネームプレートを胸に貼ってくれって事なの。
ほら、「ミュージシャン」って一目でわかるとステージに上げやすいじゃない?
大体が「ミュージシャン」とか「作曲家」とか「会社員」だったんだけど、
わざわざ「電通」って書いてる奴いたもんね。
そいつは「ご職業は?」と聞かれて「電通」って答えたんだろうね。
「会社員」でいいだろ?
「俺、世界の電通。どう?」みたいな。
「こいつアホか?」って思ったもんね。
オレはそんなのバカバカしいから、
「浦田健志・旅人」だったけど。(もっとアホ。)


話しがズレちゃったけど、これを「暴露話」としてではなく「報道」と取ってくれたほうがありがたい。
ドラマのタイトルとか、歌のタイトルとか、外国人アーティストとか、TV局の名前とか、
主役の名前だとかをブラインドにしたのは自分の身を守るためでございます。あしからず。

じゃ、ひとつだけヒント。






































やっぱ、やめた。