めっちゃ、はずかしぃ〜!!!(赤面)

−プロローグ−

−I am 21 years old.

 ふと気付いたら、音楽が好きで、ビートルズに憧れて、今では“音楽一筋!”とまではいかないけれど、
毎日バンドに明け暮れている僕がどうしたはずみか、
とても“小説”などと威張っては言えない“長い手紙”ごときを書く気になったのか。
なんて僕自身でさえも今では憶えていない。
だけど書き始めてしまった今、何を書けばいいのか?
ん〜、いろいろストーリーを考えてみた。
だけどダメだよ。みんな使い古された三文小説みたいなものばっかりだ。
やっぱり僕には文章も書けなければ、道端に落ちている綺麗な石に気付きもせず拾い上げることもできないのか・・・。
と、多少おおげさに絶望的になってしまう。−

沈黙・・・・・・・。

−I am 21 years old.

 僕は今までに少なくても21年間生きてきた。
今日一日でさえどう生きればいいのか判らないほど時間というものは僕の上に圧し掛かってくるというのに、
僕はすでに四季をそれぞれ21回ずつ、日数にしてみれば、えーと・・・・・。
まぁとにかく膨大な日数とそれに値する成長の過程を経てきたわけだ。

−そうだ、僕自身のことを書けばいいんだ。
生まれてから今日に至るまでには何らかしら文章に出来るべき事件があるに違いない。
(そう思わなくちゃあまりにも寂しすぎるよ。)
僕自身のことなら書けるような気がした。
それさえない人生なんてまっぴらだ。−

というわけで僕は、僕自身、そして僕の周りの愛すべき仲間達との間に起こった“あの時”のことを書こうと思う。


1980年−例えばジョン・レノンがファンの男に射殺された年だ。
さらに“僕的”な説明を加えるとすれば、
僕はまだ高校生で、2学期の期末テストも終わり、みんなそれぞれの想いと期待を持って臨んだあの夏休み。
いらいらするほどのあの暑い空気の中で、ほんの少しだけど大人になったような気がしたあの16の夏。


ちょっとここまでが長すぎてウンザリした人もいるようだね。ゴメン、ゴメン。


さあ、ここからは1980年の16の夏に、どこにでもあるような街で起こったどこにでもあるような
ラヴストーリーを書くね。


− コノ “ナガイテガミ” ヲ テンシノヨウナメヲシタ アイスベキ スベテノヒトニササゲル。−


−1−

 1980年。僕は16歳だった。
全ての痛みは忘れてしまうには容易いけれども、その痛みを受けとめておきたい時だってあるものだ。
この年の夏もそのひとつだ。僕はこの年の夏を絶対に忘れる事はないだろう。



 P.M.7 もうそろそろリョ−コがやってくる頃だ。リョ−コは約束の時間に5分と遅れてきたことはない。
僕の仲間の中では珍しいほど時間に律儀だ。
一度、そんなリョ−コに感心しながら「?」と聞いたことがあった。
そんな時リョ−コはいつも「友情は信頼よ」なんて、ちょっと大人ぶったフリをして答える。
そんなリョ−コを僕はカワイイと思う。

やがてリョ−コはいつも通り正確にチャイムを押してやって来た。
「コーヒー、飲むよね?」
「ねえ、タケシ」
“じゃんっ”と言いながらリョ−コはそれを背中から差し出した。
僕が前から欲しがってた古いロックンロールのレコードだ。
「どうしたんだ、それ?」
「昨日、レコード屋さんに行ったら偶然に見つけてしまったのよ。タケシ前から欲しがってたでしょ?
はい、プレゼント」
「どうした?今日は僕の誕生日でもなければクリスマスでもないんだぜ」
「そーねー。こないだのお礼とでもしておいて」


 つい1週間前のことだ。突然リョ−コは泣きながら僕のこの部屋へやって来た。
何を聞いても泣いているばかりで、それがしばらく続いた。
泣き止んだあとも理由を言わず「もういいの。あーすっきりした」と言って、いつものように微笑んで帰って行った。


「雨が気持ち良かった。久しぶりの雨だね」
「雨、降ってるのか?」
そういえばパーコレーターの音に重なって雨の音が微かに聞こえてる。
「タケシは雨好き?」
「そうだなぁ。時と場合によるんじゃないか?」
「例えば?」
「例えば、好きな女のコと一緒に遊園地の観覧車に乗って眺めてたりすると素敵だと思うな」
「好きな女のコと雨を眺めたことあるの?」
いたずらっっぽい目で僕に聞いた。こんな目をするリョ−コに僕は時々ドキッとする。
「ま、まぁこれは希望的観測かな」
「あたしはね、雨って大好きなんだ。なんかドキドキするの。何か起こりそうな気分になるの。
だって雨が降ると一瞬のうちに違った世界になったような気がするでしょ?
あたしもその中に溶けていきそうでさ」
 窓を開けるとコーヒーの香りに混じって雨に洗われた街の匂いが飛びこんできた。
リョ−コが言う。「コーヒーは砂糖なしのミルク入り」
ウン。と僕はうなずく。

僕は高校生の身分でありながら一人暮らしをしている。とは言っても自立しているわけではない。
以前は、家族で住んでいるマンションの別の階のこの部屋は親父の仕事場兼物置代わりに
使っていたんだけど、徐々にこの部屋に僕の楽器やらなんかの私物を計画的に運び込んでいつのまにかに
(そう、僕にとっては計画的に)
僕個人の部屋へと鞍替えしていったのだ。いってみれば“離れ”みたいなもんだ。

 去年のクリスマス・パーティーをこの部屋でリョ−コを含めて仲間達6人で行った時以来、
リョ−コは頻繁にここへ来るようになった。
あの日リョ−コは、はしゃぐだけはしゃぎまわり、あげくの果てはベロンベロンに酔っ払ってしまった。
他の奴らはリョ−コを僕に押しつけて、まだ夜の明けきらない街へと散らばって行った。
リョ−コはかすかに寝息をたてて完璧に眠り込んでいた。
リョ−コの寝顔を見るのは初めてだったけど、確実にかわいかった。
僕はリョ−コをベッドに運び(そう、その時が初めてだ。リョ−コだけじゃない。女のコの体に初めて触れたんだ。
僕もかなり酔っていたし、“落さないように”とそのことだけに注意をはらってたつもりだったけど、
ドキドキしたことは言うまでもない)、
タバコを1本吸い終えるまでそのカワイイ寝顔を見ていたけれど、やがてそのまま意識を失うように
僕も毛布を掛けただけの床で眠った。

みんな信じないと思うけれど、僕は何もしなかった。本当なんだ。
こっちだって眠くてそれどころじゃなかったんだから。信仰する神はいないけれど・・・・。
神に誓って。

 リョ−コに言わせれば、僕という人間はまったくと言っていい程、気を遣わずに済む人種なのだそうだ。
だから、つい僕の部屋に来てしまうらしい。
確かに僕もリョ−コと一緒に居て楽しい。
だけど僕だって男だ。リョ−コは僕を男として見てないような気がする。
きっとそうに違いない。

僕等はいつも大して話しをするわけでもなく、今日のようにコーヒーを飲みながらレコードを聴いたりして
他愛ない時間を送っているのがほとんどだ。
だけど、今日は明らかに違っていた。リョ−コがどこかいつもと違うことに気付いていた。
何かを言い出したくても、言い出せなくているような感じだ。
それでも平静を装って僕に気付かせないようにしているのもわかっていた。
「リョ−コ・・・」
僕の言葉に弾かれたようにリョ−コは口を開いた。
「ねえ、他の人が出来ないで、タケシがあたしにできることってなに?」
僕はふいの質問に答えるために立ち上がり、リョ−コのカップにコーヒーを注ぎ足した。
「このくらいのことかな」
「そんなの誰だってできるじゃん」少し怒ったような顔を見せてリョ−コは言った。

うん、本当は違う。他の人が出来ないで、僕がリョ−コににできること。
そう、きっとできること。
僕にはそれがあることをわかっていた。信じていた。
口にはしないけど。




うわっ、こんなとこで終わってる。
これはオレが21才の時に初めて「書いてみよう」と思って書き始めた小説です。
でもここで挫折してる・・・。飽きたのか?
たぶん、才能の無さに気付いたんだろう。
かなり恥ずかしいね。読んでくれた君も恥ずかしさのあまり、ちょっとは癒された?
そうだったら、これを載せた意味もあるってなもんだ。

小説はねぇ、ずっと書きたいと思ってるんだ。
いつかはちゃんと完成させたいな。
でも書き始めなけりゃ何も始まらない。やる気がないのも問題だ。
いつもちょっと書いては挫折のくりかえしだ。