浦田健志の種(たね)。

「こんなに可愛い馬や牛に囲まれて幸せだよ」


今日の彼は、牧場あたりで暮らしているんだろう。


“あれから”、初めて1ヶ月以上も空いてしまった訪問。 



「産まれたばっかの馬でも牛でも人間でも、それは美しいものだよなぁ」

抱きつき枕をポンポンッと叩きながら彼は言う。

きっと仔馬だったりするんだろう。


「オレが産まれた時も美しかった?」

「そうだよぉ。輝いてたね〜」

そんな話になると、いつも彼は遠くを見つめるようにして微笑む。


もしかしたら、オレをオレだと認知していないかもしれない。
(「認知」が困難なのに「認知症」なんて病名はオカシなもんだ)

それは彼にしかわからない。




翌日(昨日-10/24-だ)、緊急入院。

呼吸は酸素マスク頼り。
その酸素圧は最大。
そのマスクを外さないように手枷。

生きようとして必死に(そう見えた)呼吸をするだけの彼。


「じゃあ、今日は帰るね。今日も唄うんだ」
ちょっと口ずさんだ。(ホントは、今日は唄わない)

その声に反応したのか、初めて身体が動いた。
まるで赤ちゃんが母親を求める姿に似て、力を振り絞るようにオレに向かって手を伸ばそうとした彼。
それに応じたオレ。



チチ、キトク。



医者が言うには、今夜かもしれないし、もっと先かもしれない。
要するに、今の酸素圧に対応しうるまで。


一昨日の声の会話と、昨日の身体での会話。

これで最後かな、と思った。

わからないけど。


わかってることは、「オレは産まれた」「オレは生きてる」「彼と繋がっている」





なんだか、最近は親の話ばっかだなぁ。
なんかロッケンロー!じゃないなぁ〜。
すまんね。