友達

デートした。2日連続。
1日目はゆっくり酒を飲みながら語り合い、2日目はデートコースの基本・横浜の中華街で夕食を摂り、
元町を抜けて外人墓地、港の見える丘公園、
山下公園、みなとみらいへと。
そのあとはH・O・T・E・Lへ・・・。



残念ながら・・・20年来の友達。男だ。(“T”としとこう)
“T”は広島に住んでいるので滅多に会える奴じゃない。今回も半年ぶりくらいかな?
この20年、会わない時は2、3年会わないこともあるし、1年以上連絡を取り合わないこともある。
だけど会う時はいつでもフラットな状態で会える。
それはずっと変わってない。(オレは最初多少照れるけど)
だけど、“仲がいい”という感じではない。もちろん悪いというワケでもない。
んん〜っ。なんなんだろう?
上下関係のない“義兄弟”ってとこかな?
ある意味、心のどこかで“盃”交わしちゃってるかもしれないな。


“T”についてちょっと説明すると・・・。
“T”はオレにとって最も信用できる友達であり、オレの良き理解者であり、同い年でありながら尊敬するに値する奴だ。

そして、例えば何でもいいから(それは、“習い事”でも“仕事”でも“女を口説く”ことでもいい)
2人が同時に“よーいどんっ!”で始めたとしたら
「きっとこいつには敵わないだろうな」と思う。
このいつでも自信たっぷりなオレがだ。

そして“T”は、オレの為だったら何でもやるだろう。
例えばそれが命の危険に関わるようなことだとしてもきっとすぐに飛んでくるだろう。
それはオレも同じだ。

そして、“T”の人柄を語る上でどうしても避けて通れないのが“T”の友達。
「ワシの親友はお前にも会ってもらいたいんじゃ」と言って
昔から“T”の友達とはほとんどの奴と会ってきてるけど、みんなすばらしい奴なんだよね。
オレもよく「いい友達に恵まれてるね」と言われるし、それは自慢のひとつではあるけど、
なかなか出会えるもんじゃない。うらやましいくらいに。
簡単に言うと安っぽくなるけど、本当に友情に熱くて厚いんだ。
バカでさ、優しくてさ、純粋で涙もろくてさ。
彼らはオレと会うことを楽しみにしてくれてるし、
東京でオレと“T”が会うことを我が事のように喜んでくれる。オレにとっても“友達”だ。

今回だってさ・・・(これ言っちゃっていいのかなぁ?ま、許せ!)
“T”の会社の経営状態は現在芳しくない状態にあるらしい。
だからといって全然金が無いわけではない。新幹線代なんかは余裕である。
1億の利益が5千万になったってな程度の話らしい。(とはいっても大変なんだろうが。)

今回は、金うんぬんの事とは全然関係ない仕事上のことで東京に来たが、
「東京に行く」と知ったその仲間のひとりはどうしたと思う?
そいつは“T”の経営状態を過剰に案じて、“新幹線代もままならないんじゃないか?”
と勘違いして、自分の車を用意して自分の仕事を休んでまで「一緒に行く」と言ったそうだ。
そいつは軽い身障者なんだけど、「身障者手帳があれば高速代も半額になるから」と言って。
当然“T”は「そのくらい大丈夫なんだよ」と説明して車で来る事には至らなかったが、
だけどそいつは別れ際「浦田と美味いものでも食ってくれ」とお金を渡したんだそうだ。
涙でウルウルさせてたらしい。“T”も後で泣いたそうだ。
その話しを聞いてオレも泣いたよ。
「アホだなぁ〜」って。

このエピソードだけじゃない。“T”にはこんな友達が沢山いる。
オレはこんな友達を持った“T”と友達であることに誇りを持っている。
確かに“T”は誰から見ても“いい奴”だし、誰に紹介しても恥ずかしくない奴だけど
そんなのは問題じゃない。
オレと“T”の関係が“いい”から付き合っていられるんだと思う。(お互い“我”が強いしさ。)
オレ達には“秘密”も“タブー”もない。
例えば“T”が黒人だとしたら、オレは“T”を「ニガー」と呼べるし、“T”も「Hey,JAP」とやるだろう。
ロバート・B・パーカーのスペンサーとホークのように。

オレ達の間は何をどう話してもかまわない。
いい所も悪い所も含めてお互いを認め合ってるからね。
そしてお互いの気持ちもちゃんと見えてるからね。

いつか“T”が言ったことがある。
「ワシらは会う度にお互いがお互いの成長を確認してるのかもしれんのぉ」と。
そして「こいつに恥じるような生き方は絶対にできない」ともお互い思ってる。
どちらかがそれを忘れた生き方をしてたらきっと会えないだろうし、その先会わなくなるだろう。
“T”はオレにとってのプライドでもある。
“T”と会った後は必ず「やっぱ友達っていいな」って思う。
そう思わせてくれる奴だ。



「友達とは?〇〇である」
この場合、例えば「ジグゾーパズルの1ピースである」
ってな気の利いたコピーのような一言を言って締めるのが常套手段だけど、
オレにとっては“友達”っていうことだけで“スペシャル”なんだよね。
“友達”ってことだけで意味を持つんだ。
“知り合い”とは全然距離が離れてる。オレはそこらへんどっかで線引きしてるしね。

でもね、ひとつだけ。
“友達”ってのはさ、泣けるんだよね。そいつを想うだけで。
そしてお互いそこの“襞”に触れるような話しをきっちり出来るんだ。


“T”が帰った次の日、人に連れられて渋谷で40年続いてるバーに行ったんだ。
オレはそんな話しはしてなかったんだけど、なんかの話しの流れで
そこの60すぎのマスター(“男気”ってのが似合う感じ)がおんなじようなこと言ってたよ。渋い声で。

「友達ってのは泣ける。泣ける友達を持つってことは幸せなことだよ」って。