矢沢永吉氏の“お言葉”に反応して。

この前、こんなことがあったのよ。
また“大久保水族館事件簿”になるかな?(笑)

いつもやらせてもらってる大久保水族館で、いつもお世話になってるチワキさんのとこでバック・コーラスとして唄ってきたのね。
その後、カウンターで飲んでたの。もう普通の客としてね。

で、面識のある他のバンドのファンがさオレに言ったの。
「なんで行かないの?」って。
「なんで自分のファンがいるのに一緒に飲んであげないの?」っていう意味だな。

そのカウンターにはオレのファン(チワキさんのファンでもある)もいたんだけど、友達みたいに仲良く飲んだり、
こっちから「いつもありがとうね」なんて話しかけたり、オレはそういうのないのね。
自分のライヴの後でなら尚更。

別に気取ってるとか、頑固に貫いてるとかでもなく、話しかけられれば話すし、声をかけることもあるけどね。
“ことさらに”ってのはない。
別にタイミングさえわかってたら話しかけられてもいいし。


オレはその辺、コミュニケーションという意味ではライヴ中にやってるつもりだからね。
それがファンに対する礼儀でもある。
それがオレのやり方なの。最初からね。
サービス業やってるわけじゃないしね。
オレと話しをしたくてライヴに来るような人がいたとしたら、そんなのは来なくていいの。

そこらへんのことは「コラム侍」の「オーラ」でも書いたかな?
(確認してみたけど、ここでも矢沢氏のことが書いてあった。)

ましてや、ライヴが終わったらすぐ家に帰らなきゃいけない人もいるだろうし、顔も知らない人もいるだろうしね。
そこをさ、顔を知ってるからって仲良くしてたら不公平じゃん?
“コアなファンだけ優しくする”みたいなのにはなりたくないしね。
だから、そういう意味もあって、ライヴが終わった後のセッションも、あんまりやりたくないんだよ。

あとね、もうステージを降りてんのに、いつまでも“ステージにいた人づら(面。かつらじゃないし、訛りでもない。)”してるのも嫌なんだよね。
オレはそれほど自意識過剰じゃないし、「酒飲んでるんだから自由にさせろよ」って感じ。


で、だ。
オレはその子(女子だ。)に説明した。
「オレにはオレのスタンスがあるんだから」って。

そしたらさ、ま、酔っ払ってんだか、楽しくて勢いついてんだか、最初から空気を読めない世間知らずかもしれないけどさ、
オレの頭を叩いたの。
前から面識はあったし、それまでも叩かれたことはあるんだけど、そういうツッコミみたいのは冗談の範囲なら許せるのね。
酒飲んで、楽しくやってる中でなら。親しみの中でなら全然ね。


でも、そのときはさ、“バシーン!と来たのね。
しかもオレのファンの前でだよ。

オレはマジで怒ったよ。オレを好きでいてくれてるファンの気持ちを守る意味でもね。
「お前、殴るぞ。調子に乗ってんなよ。このやろう」って。 多少、巻き舌で。
オレ、こんな“キュート”な顔してるけど怒るとスゲー恐いから。静かに怒るし。

ま、素直に謝ってくれたからそれ以上は問題ないんだけどさ。今もね。 大人だしぃ〜。

もちろん、そこにいたオレのファンもまったく罪はない。


ま、そんなこんながあったわけ。


どうやら、オレが言う“スタンス”って、どうも異色みたいだね。
周りを見てると、ファンと交流するのが当たり前みたいな。
“フレンドリーになってファンの心を掴む”みたいな。


いやぁ、実はオレもちょっと考えたことあるんだよ。
そうやったほうが動員増えるかなぁ?みたいな。(笑)





で、今、最近録画してた矢沢永吉のビデオを見てたんだけど、そこで言ってた言葉でこのことを思い出したのです。


以下、抜粋しながら、ほぼ忠実に文字起こし。( )内は筆者注釈。


「昨日(ライヴが)終わって、毎回そうだけど最終日が終わって、バーで1杯飲むっつーのはいいね。
昨日こんなことがあったよ。小樽でファンが来てさ。
ほいで、こっちは気持ち良く飲んでたら、トイレ行ったらサインくれって。

昨日はキレたね

ぱっつーん、キレておまえ、出入り禁止だ。二度と来るなつった(言った)もん。
でも、ファンに向かって『おまえ、二度と来るな』っていうアーティスト、オレぐらいだろうね。どう?
『二度と来るな』っつーん(って言う)んだからね。

でもね、これは一貫してヤザワの姿勢が変わらないからいいんじゃない?
昨日今日、始まったことじゃないから。俺、もう20年前からその姿勢変わんないからね。
それ、どうしてか?ったらね、昨日今日変わったら、また〜、ヤザワが、なんか、ね?そう言うじゃん。ちょっと売れたからどうのこうのって。
俺、そう言われるの大っ嫌いだから。俺、昔から変わらないの。そういう姿勢は。

どうしてか?ったらね、“お客様は神様”とかね、“ファンは大事”ってのは、そりゃ当たり前よ。
だけどね、そうだからと言って、ファンにもファンで超えちゃいけない線ってのがあるのよ。やっぱり。

わかる?言ってること。

我々、やる側だってさ、やっぱり、今年より来年。来年より再来年。って最高のいいものを見せたいとか、いつも頑張ってるワケよ。
こっちも必死なんだから。

で、僕はいつも言うじゃない。やっぱりね・・・俺がダメになってきたら、あっさりとファンはわかるからね。
あー、もうヤザワは終わったね。って。
もうね、勝つか負けるかなんだから。こっちの世界ってのは。
だから、こっちも必死よ。
ほいで、やって終わって、“サンキュー!ありがとう!”って感じで1杯飲むじゃん。
ファンも、そこ、察しなきゃ




ま、大物とオレの差はあるだろうけど、実はオレの中にはない。
ファンとオレのスタンス。これが最良だと思ってる。
そこでのオレの“仕事”はステージなのだから。そこをキッチリとやるだけ。

「いい人ね」なんて思われて心を掴もうなんて、これっぽっちも思ってない。
また、そんな音楽もやってない。

そんなオレでも好きになってくれる人がいれば幸せだ。


でもね、オレよく言うんだよ。
「オレほどファンを掛値なしに大事に思ってる奴は、そうそういない」ってね。
自信を以って、ちょっと誇らしげにね。

きっと、矢沢氏もそう思ってるだろうな。
ファンに対しても真剣なんだよ。“ファンをなめてない”っつーか。
もちろんオレも。



では、最後に矢沢氏に返信。

>でも、ファンに向かって『おまえ、二度と来るな』っていうアーティスト、オレぐらいだろうね。どう?

いや、あなただけじゃありません。経験あるっす。