反逆の浴衣ロッカー

夏ですね。

これを読んでくれてる人の中には、オレが浴衣を着てステージに立ったのを観たことがある人もいるでしょう。

そして、ほとんどの人は、それを“笑い”のためにやったとお思いでしょう。

でも、実は違う。
あれは“反逆”の表明なのだよ、諸君。


最初に浴衣を着てやったのは Rd“J” BANDの頃だ。

その日のライヴの対バンはビジュアル(お化粧)・コスプレ系だと聞いていた。
(しかし、なんでそんなのと一緒にブッキングするかね?)


その日以前に、友達に誘われてU2のコピーバンドで1回だけライヴをやったことがあった。
オレは「骨太ロックのコピーバンドばっかり出るライヴ」と聞いてたはずだったんだけど・・・
ふたを開けてみたら、ゴスロリファッション・オンパレード!
ぬいぐるみ抱いて唄ってる奴(♂)とか、そんなバンドばかりだった。
ほとんどが、オレに言わせりゃおかまチック。

で、出番だ。

前列の辺りはほとんどゴスロリ集団。
オレは破れたジーンズに白いTシャツ。
歌が始まれば、ぬいぐるみとは程遠いしゃがれた声。

前列のゴスロリ達、下向いてたよ。
「あんた達に興味はないわっ。目張り入れて出直してきなさいよっ、目張りっ。最低、眉毛細くして上目使いよっ!」ってな感じで。
これは「コラム侍」にも書いたな。


そんで、話は戻る。
Rd“J” BANDでのライヴだ。

対バンがビジュアル・コスプレ系だと聞いたオレは、その日を思い出し考えたのだ。
「コスプレしてりゃいいんだろ、どーせそいつらの客」と。


そこでだ。
「どぉだーーーーっ!これもコスプレじゃ〜〜〜〜〜っ!!!」

ということで浴衣を着たわけです。
元々持ってたからじゃなくて、ちゃんとその意思のために買ったんだもん。


おっちょこちょいなようでシニカルな反逆なのであります。
「浴衣着てたってROCKできんだぞーーーっ!」ってな感じで。
今まで着たことのあるステージ、だいたいがそうだね。


オレは元々、髪伸ばしてロック的な格好をして「ROCKでーす」みたいのはかっこ悪いと思ってたしね。
昔から「なにを着てたって誰よりもROCKできんだぞーーーっ!」の精神でやってきたからさ。


あ、そういえばあの時もそうだったな。
17歳の時に出たアイドルオーディションの全国大会。
レコード会社の担当ディレクターから「君は上下とも白を着て爽やかな感じで行こう!」と言われていた。
服なんて何着ていいのかわからなかったし、別に白でも良かったんだけど、「爽やか」が引っかかった。
元々アイドルになる気なんてなかったし。ここから“ミュージシャン”の道に転向しようと思ってたしね。
だからなのか「言いなり」になる感も引っかかりがあった。
オレのような17歳が大人の言いなりになるわけがない。

でも、ただ反抗したわけではない。
白は呑んだ。オレのことを思って言ってくれたと思ったからね。
ここらへんが単なるガキんちょじゃなかったね。

そして考えた。
「白に反する目立つ色は?」「赤」
「よし、赤いハチマキをしよう!」と。

これまた、おっちょこちょいなようでシニカルな反逆なのであります。

東急ハンズかなんかに探しに行ったら、いいのが見つかった。
赤いヘアバンドに翼がついてる!
唄う歌は、チャゲ&飛鳥の「翼」という歌だったからちょうどいい!
(いろんな歌を聴いた中でこの歌を選んだのは、1コーラスのサイズが長かったから。TVに長く映るでしょ?)

そして、本番。
ポケットに隠し持ってた「赤い翼」を直前でグイッと着けて出ていったのだ。

う〜ん、17歳の反逆。



浴衣の件は、実はちょっとぐらいは狙ってた。“笑い”を。
でも、根底に流れるのは“反逆”であります。
その衝動こそがROCK。

またオレが浴衣でライヴをやるのを観る機会があったら、その根底を探ってみてください。
「ただ着たかったから〜」もあるかもしれない。



人間は外見ではない。でも中身でもない。
行動が全てだね。
行動に裏づけされた外見と中身ですよ、諸君。