憧れの人

車を運転しての移動中、側道でタクシーを止めようとしてる男に目が行った。
「ん?知ってる・・・」一瞬考えた。
「あ、小坂さんだ」

“小坂さん”とはオレが15、6年程前にEPIC SONY(当時の社名)というところで
バイトしてた時に出会った小坂洋二氏だ。
佐野元春やTMNなどなど数々のアーティストを育てた当時から有名な大プロデューサーだ。

オレは彼に憧れてた。
肩書きではない。
その頃、彼は今のオレよりちょっと上くらい(?)の年で、大プロデューサーだしすごく大人に感じたけど、
すごく無邪気で、子供で、でも落ちつきがあって、ちょっと恐そうで、ロマンティストで、
不良っぽくて、若くて、女性にもてて、信頼があって、頭がよくて、優しくて・・・
そして、だいぶ年下のオレでも“タメ口”を許してくれるような人だった。
とにかくカッコよかった。
「あんな大人になりてぇなぁ」と思ったものだ。

現在は50代のはずである。その時、3秒くらいしか確認できなかったが、
相変わらず“ジーンズにTシャツ”というあの頃と変わらないいでたちが似合ってたし、
白髪は増えてたけど、髪型も洗いざらしのちょっと長髪という変わらない感じで若々しかった。
そしてやっぱりカッコよかった。
オレが憧れた“小坂洋二”の生き方が顔に出てるカッコよさ。
なんかすごくうれしかったな。

当時オレが描いてた「あんな大人」にオレが現在なれているかはわからない。
(でもそんなに遠くないと思う。)
でも、また目標ができた。50代に入った時のオレの姿。
楽しみだ。