お題「永遠」


「永遠」を言葉そのままの意味で捉えると、
そりゃ不確かなものだし人生の途中には存在しない。

「永遠」とは“かんちがい”だ。


まず、そう言っとこう。


でもオレは時にその不確かで存在しない「永遠」を感じる。
大いなる“かんちがい”で。

何年も前のこと。
オレ達3人はそのうちの1人の誕生日を祝うため、
いつもの店に集まった。
オレ達はそれぞれの誕生日に男だけで集まるということを恒例としていた。

それは5人になることもあれば2人になることもある。
いずれにしても“コア”な友達だけだ。

オレは気のおけない“友達”と呼べる男だけで集まって夜の時間を過ごすことが大好きだ。

この日もいつものようにバカ騒ぎも真面目トークもありで退屈なんて存在しない時間を過ごしていた。

突然誰かが
「海に行こう」と言い出した。

あ、いや“誰か”ではない。オレだ。そういうことを言い出すのはいつも決まってオレだ。

なぜかオレは仲間と楽しく夜の中で飲んでると海に行きたくなる性癖がある。
夏の海は好きじゃないんだけどね。(混んでなければ好き)

なかば強引に連れ出すような形で車に乗りこみ海へ向かった。
店からわけてもらったビールを飲みながらね。(時効)

1時間程かけて湘南の海岸に着いた。
夜はまだまだオレたちのためにある。

酒の補充のため湘南に住んでる友達を思いつき、電話で叩き起こし家にある酒を譲ってもらう (迷惑な話しだ)。

あとは夜を楽しむだけだ。

6月初旬の海岸は少し寒かったけれど、そんなことはおかまいなしだ。

誰もいない海岸は貸しきり状態でオレ達だけのものだった。
そして目の前には海がある。
もちろん入らないわけがない。

当然だ。
海に失礼だ。

タオルなど持ってないけど、後のことなんて考えない。
(オレは高校の修学旅行で宮崎の日南海岸で制服のまま泳ぎ、
次の日から「水辺50m以内出入り禁止例」をくらった男である。でもウケたぜ〜。)

オレたちは、おどろくほど荷物のすくない旅人のように自由だった。

この夜、オレは確かに
「永遠」を感じていた。「永遠」の中にいた。

でも魔法は解ける。

夜の魔法は朝の訪れと共に徐々に解けていく。
いつものことだ…。

でもオレは憶えている。
あれから何年も経った今でも。
あの「永遠」を感じた夜を。

その3人ではもう何年も会ってない。
もしかしたらこれからもないかもしれない。

君は憶えてるか?
あの日の午前3時の月の真下のオレ達を。

あの頃と変わってないまんまで会いたいよ。